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名前とか出てこないやつもあるし、名前とか出てくるやつもある。
ニュアンスだけのネタのゴミ箱
白い髪が靡き、黒と白が逆転した目は陶器のような肌の中で愉悦を滲ませる
黒い髪が解れ、金を滲ませるアンバーの瞳はひび割れだらけの大地の中で美しすぎるほどの殺意で満たされる
「僕ら最初から分かり合えるはず無かったんだ」
「よく分かってるじゃないかシークレット、クーンアス、Rio、リオ、教官、REON.LEON、レオン。」
「僕の通り名から本名まで全部知ってるの君くらいじゃないかなあ、ははは、レオンか。懐かしい限りだ」
「どうせそれですら本名じゃないのだろう」
「まあね、というか僕元から親なんて居ないし、本名も無いのさははは。そうだね、強いて言うならレオンだ、そう、レオン」
「クソ野郎」
「クソで結構、お前さん体中傷だらけにされてもまだ歯向かう気か?僕とお前とじゃ信念の年季が違うんだよ、お前が正義だってんなら僕は悪で構わない」
「ああお前は悪だ、例えお前が正義を名乗ろうとも俺が正義だ、お前が悪だ」
「顔ならまだしも上半身、それに下半身、腿の内側まで傷だらけだなんて恥ずかしいだろ普通なら、よく生きてられるよね君って」
「ああそれでも街のためなら生きてやるさ」
「本当、救いようがない」
僕の心を焼き尽くした業火、この目を吸い尽くした糾弾。
暗闇の中、心音すら押し殺し暗躍する男が今でもなお頭蓋骨の裏側に焦げ付いているのだ、
堪えきれない程の憎悪を身に焼印して、それでもなお僕は生きようとする。
大切な教え子達、我が子達が俗世にいる限りは。
憎しみと愛はよく似ている、どちらも人間にとって最大級の嗜好品なのだから。
街灯がぽつぽつと灯る表通りの脇、戦争の父への助けを求める一方通行な張り紙だらけのその道で、1人ただ物思いにふける。
数年前、僕は悪人を、戦争の父を救いきれなかった。 そしてまた同じ過ちを犯す、多くの犠牲を伴って。 死んだ仲間は数しれず、肩を組み笑った教え子達は今でも僕を愛してくれているだろうか。
新緑のような髪を健気に揺らして僕を迎え入れてくれる彼女、
ああ彼女は確かにあの日あの時あの晩に居なくてよかったと、
願わくばあの場から去った後も安閑の日々を送っていてくれたならば良いと思っていた、それなのに。
「…NN…」
貼り付けられた戦争の父の紙に紛れて時折他の者の名や顔があった、
その中で一人忘れるはずもないそれを見つけてしまう。
暗澹たるヘルメットにスーツ、顔など見えるはずもない、何より僕は全盲だ。
紙を触った質とその際に生じる凹凸の音、それが壁へと跳ね返って僕に正確な形を囁いてくる。
ああなぜ彼女までもが、大切な教え子よ愛しき我が子よ。
2日前、B区域での大掛かりなヒーローとヴィランの対立を政府からの命で聴いていた時奇しくも分かってしまったのだ。
踏み込む際に起きる地の擦れる音、蹴りかかる際に空を切る音、走る際に派手な動きと相対してなるべく控えられた足音。
初めはあの戦争の父親かと思った、僕の教えを腹立たしいまでに守るあの男、 だが違った、確かに僕の教えと同じとはいえ、音の重さが違った。
恐らくだが戦争の父親よりも軽く、それでいて体型的にも細々しく、日頃からの生活があまり安定とは言えないような。
僕の場を去った者達の顔が瞬時に流れ出す、しかしすぐには絞れ込めずただ呆然と聴くしかできなかった時だった。
「ザカリーさん」
中性的な声、微かに震えた空気の繊細さ、ああその時は思わず声を出してしまったよ。 そんな、って。 ノラだ。すぐに分かった、忘れもしない新緑の彼女。
純粋すぎるが故にこの世界を早くも悟ってしまった彼女は傍観的とも言えたが 悟るのが早すぎたが故に人を理解する事が出来ていないとも言えていた。
そんな彼女を助けたいと願ったのはいつもの僕の独りよがりな気持ちだった、それでも彼女は応えてくれた、 訓練兵だなんて言って毎日のように蹴り飛ばし殴り飛ばしていた、それなのに彼女は立ち上がり僕を迎え入れてくれたのだ。
「ノラ」
僕は名を呼び回雁する、ノラがどうかあの戦争の父親に引きずり込まれないようにと、 願わくば彼女を愛護してくれるような人があの組織に居てくれと、僕は何度もマリアに縋った。
神の母よ、どうかあの戦争の父を止めてください、そしてあの新緑の我が教え子を我が娘をどうか救ってくださいと、 それが出来るのならば僕はもうこの身の皮をすべて剥がれ、虚無へと捨てられ何百回と闇へ飲み込まれようとも構いません。
神頼みだなんて、と苦く小さな笑いがもれてしまう。
ああそうだとも、悪人も善人も救うだなんて大口を叩いてはみせるが結局僕も弱い人なのだ。
だが決して変わらないものだってある、 ノラ、僕は君を確かに今でも愛してるんだ。
止まっていた歩を進め脇道を抜ける、壁が無くなったことで差し込んできた日光に目をくれることもなく、見る目もなく、僕は折りたたんでいた杖を開いてまた歩き出す。
杖はコツリコツリと確かな音をさせるのに、僕の未来は何の音をさせているのか、そればかりはこの耳を持ってしても分からなかった。
「Rio」
いつだったかもう忘れちゃったけど、みんなが座るソファで寝てたザカリーさんは、寝ぼけた感じでそんなことを呟いたことがあったなあ。
その時ぐうぜん近くにいたぼくは手を引かれてそのまま手を繋がれたんだ。
びっくりしたんだけど、それ以上にザカリーさんの目がとっても嬉しそうだったんだ。
初めて見た。あんなふうに目を細めるザカリーさんを。
何かをボソボソと話す低い声が少し。ふだんよりも優しく聞こえた。
Rioって土地名なのかな。でもザカリーさんたまにいろんな名前がでてくるんだよなあ。今回の人はわりといい人だったのかな。それとも人じゃないのかな。
普段から変な所で寝る事が多いザカリーさんは、人から見られたりする所で眠っていることもあるから。
ぼくは多分けっこうザカリーさんの寝言を聞いてるのだと思う。
いつだったかは「Blind」その次に「Secretive」
あと、ぼくにはうまくききとれなかったけど。たぶん「Rion」か「Lion」みたいなことも言ってたっけな。
ぼくの名前を呼んでくれる、なんて期待はしないけどさ。
そもそもぼくですら知らない誰かの名前をたくさん呼ぶだなんてザカリーさんにはザカリーさんの人生があるんだって無理やり教えられてるきがしてきて、ちょっとかなしかったな。
でもかなしかったと同じくらい興味もわいたんだ。
だってザカリーさんその名前呼ぶときとっても嬉しそうだったんだ。
なんだかあの感じは……うーん「ルーカスさん」と会っている時に似てる感じもしたな。
ねぇねぇ、ザカリーさん、ねえ誰を呼んでるの?
ぼくが呼んだって気づいてもくれないザカリーさんはねむったままだった。
ザカ??
「ねえザック。星の王子様だって。」
記憶の奥底で、端が橙色になった洋紙を笑いながら捲る誰かがいた。
「星の王子様なんていつぶりなんだろう。こんな所にいたら殊更こんなものには触れられないもの」
しゅるり ぺらり しゅるり
洋紙を優しく撫であげて、捲り上げるその音は銃声などとは比べることすら億劫だ。
「君も読んだことあるんだろう?あ、意外と君ってばこの王子様みたいなところあるものね、冗談だけど」
白く、爛れた指先が、ブロンドの少年を慈しむ様になぞった。
この少年が俺か。ああそうだとしたならばあながちお前は
「一輪の薔薇だ」
この先どれだけの薔薇があろうとも、どれだけ美しい花が見えようとも。
確かにここに一輪あり、今この手の内におさまり愛でたのは、確かにお前であったのだから。
俺は他にない、俺だけが触れた薔薇を必要としたい。
「ははは、それいいね。まるで愛の告白でもされてるみたいだよ」
白髪のそれは その澄んだ銀色の瞳を瞬かせて微笑んだ
その様はあまりにも美しすぎた。
俺はこいつのような奴のために、日頃戦っているのだと、改めて吐いた息を呑まされた。
たすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけて
白い髪が靡き、黒と白が逆転した目は陶器のような肌の中で愉悦を滲ませる
黒い髪が解れ、金を滲ませるアンバーの瞳はひび割れだらけの大地の中で美しすぎるほどの殺意で満たされる
「僕ら最初から分かり合えるはず無かったんだ」
「よく分かってるじゃないかシークレット、クーンアス、Rio、リオ、教官、REON.LEON、レオン。」
「僕の通り名から本名まで全部知ってるの君くらいじゃないかなあ、ははは、レオンか。懐かしい限りだ」
「どうせそれですら本名じゃないのだろう」
「まあね、というか僕元から親なんて居ないし、本名も無いのさははは。そうだね、強いて言うならレオンだ、そう、レオン」
「クソ野郎」
「クソで結構、お前さん体中傷だらけにされてもまだ歯向かう気か?僕とお前とじゃ信念の年季が違うんだよ、お前が正義だってんなら僕は悪で構わない」
「ああお前は悪だ、例えお前が正義を名乗ろうとも俺が正義だ、お前が悪だ」
「顔ならまだしも上半身、それに下半身、腿の内側まで傷だらけだなんて恥ずかしいだろ普通なら、よく生きてられるよね君って」
「ああそれでも街のためなら生きてやるさ」
「本当、救いようがない」
僕の心を焼き尽くした業火、この目を吸い尽くした糾弾。
暗闇の中、心音すら押し殺し暗躍する男が今でもなお頭蓋骨の裏側に焦げ付いているのだ、
堪えきれない程の憎悪を身に焼印して、それでもなお僕は生きようとする。
大切な教え子達、我が子達が俗世にいる限りは。
憎しみと愛はよく似ている、どちらも人間にとって最大級の嗜好品なのだから。
街灯がぽつぽつと灯る表通りの脇、戦争の父への助けを求める一方通行な張り紙だらけのその道で、1人ただ物思いにふける。
数年前、僕は悪人を、戦争の父を救いきれなかった。 そしてまた同じ過ちを犯す、多くの犠牲を伴って。 死んだ仲間は数しれず、肩を組み笑った教え子達は今でも僕を愛してくれているだろうか。
新緑のような髪を健気に揺らして僕を迎え入れてくれる彼女、
ああ彼女は確かにあの日あの時あの晩に居なくてよかったと、
願わくばあの場から去った後も安閑の日々を送っていてくれたならば良いと思っていた、それなのに。
「…NN…」
貼り付けられた戦争の父の紙に紛れて時折他の者の名や顔があった、
その中で一人忘れるはずもないそれを見つけてしまう。
暗澹たるヘルメットにスーツ、顔など見えるはずもない、何より僕は全盲だ。
紙を触った質とその際に生じる凹凸の音、それが壁へと跳ね返って僕に正確な形を囁いてくる。
ああなぜ彼女までもが、大切な教え子よ愛しき我が子よ。
2日前、B区域での大掛かりなヒーローとヴィランの対立を政府からの命で聴いていた時奇しくも分かってしまったのだ。
踏み込む際に起きる地の擦れる音、蹴りかかる際に空を切る音、走る際に派手な動きと相対してなるべく控えられた足音。
初めはあの戦争の父親かと思った、僕の教えを腹立たしいまでに守るあの男、 だが違った、確かに僕の教えと同じとはいえ、音の重さが違った。
恐らくだが戦争の父親よりも軽く、それでいて体型的にも細々しく、日頃からの生活があまり安定とは言えないような。
僕の場を去った者達の顔が瞬時に流れ出す、しかしすぐには絞れ込めずただ呆然と聴くしかできなかった時だった。
「ザカリーさん」
中性的な声、微かに震えた空気の繊細さ、ああその時は思わず声を出してしまったよ。 そんな、って。 ノラだ。すぐに分かった、忘れもしない新緑の彼女。
純粋すぎるが故にこの世界を早くも悟ってしまった彼女は傍観的とも言えたが 悟るのが早すぎたが故に人を理解する事が出来ていないとも言えていた。
そんな彼女を助けたいと願ったのはいつもの僕の独りよがりな気持ちだった、それでも彼女は応えてくれた、 訓練兵だなんて言って毎日のように蹴り飛ばし殴り飛ばしていた、それなのに彼女は立ち上がり僕を迎え入れてくれたのだ。
「ノラ」
僕は名を呼び回雁する、ノラがどうかあの戦争の父親に引きずり込まれないようにと、 願わくば彼女を愛護してくれるような人があの組織に居てくれと、僕は何度もマリアに縋った。
神の母よ、どうかあの戦争の父を止めてください、そしてあの新緑の我が教え子を我が娘をどうか救ってくださいと、 それが出来るのならば僕はもうこの身の皮をすべて剥がれ、虚無へと捨てられ何百回と闇へ飲み込まれようとも構いません。
神頼みだなんて、と苦く小さな笑いがもれてしまう。
ああそうだとも、悪人も善人も救うだなんて大口を叩いてはみせるが結局僕も弱い人なのだ。
だが決して変わらないものだってある、 ノラ、僕は君を確かに今でも愛してるんだ。
止まっていた歩を進め脇道を抜ける、壁が無くなったことで差し込んできた日光に目をくれることもなく、見る目もなく、僕は折りたたんでいた杖を開いてまた歩き出す。
杖はコツリコツリと確かな音をさせるのに、僕の未来は何の音をさせているのか、そればかりはこの耳を持ってしても分からなかった。
「Rio」
いつだったかもう忘れちゃったけど、みんなが座るソファで寝てたザカリーさんは、寝ぼけた感じでそんなことを呟いたことがあったなあ。
その時ぐうぜん近くにいたぼくは手を引かれてそのまま手を繋がれたんだ。
びっくりしたんだけど、それ以上にザカリーさんの目がとっても嬉しそうだったんだ。
初めて見た。あんなふうに目を細めるザカリーさんを。
何かをボソボソと話す低い声が少し。ふだんよりも優しく聞こえた。
Rioって土地名なのかな。でもザカリーさんたまにいろんな名前がでてくるんだよなあ。今回の人はわりといい人だったのかな。それとも人じゃないのかな。
普段から変な所で寝る事が多いザカリーさんは、人から見られたりする所で眠っていることもあるから。
ぼくは多分けっこうザカリーさんの寝言を聞いてるのだと思う。
いつだったかは「Blind」その次に「Secretive」
あと、ぼくにはうまくききとれなかったけど。たぶん「Rion」か「Lion」みたいなことも言ってたっけな。
ぼくの名前を呼んでくれる、なんて期待はしないけどさ。
そもそもぼくですら知らない誰かの名前をたくさん呼ぶだなんてザカリーさんにはザカリーさんの人生があるんだって無理やり教えられてるきがしてきて、ちょっとかなしかったな。
でもかなしかったと同じくらい興味もわいたんだ。
だってザカリーさんその名前呼ぶときとっても嬉しそうだったんだ。
なんだかあの感じは……うーん「ルーカスさん」と会っている時に似てる感じもしたな。
ねぇねぇ、ザカリーさん、ねえ誰を呼んでるの?
ぼくが呼んだって気づいてもくれないザカリーさんはねむったままだった。
ザカ??
「ねえザック。星の王子様だって。」
記憶の奥底で、端が橙色になった洋紙を笑いながら捲る誰かがいた。
「星の王子様なんていつぶりなんだろう。こんな所にいたら殊更こんなものには触れられないもの」
しゅるり ぺらり しゅるり
洋紙を優しく撫であげて、捲り上げるその音は銃声などとは比べることすら億劫だ。
「君も読んだことあるんだろう?あ、意外と君ってばこの王子様みたいなところあるものね、冗談だけど」
白く、爛れた指先が、ブロンドの少年を慈しむ様になぞった。
この少年が俺か。ああそうだとしたならばあながちお前は
「一輪の薔薇だ」
この先どれだけの薔薇があろうとも、どれだけ美しい花が見えようとも。
確かにここに一輪あり、今この手の内におさまり愛でたのは、確かにお前であったのだから。
俺は他にない、俺だけが触れた薔薇を必要としたい。
「ははは、それいいね。まるで愛の告白でもされてるみたいだよ」
白髪のそれは その澄んだ銀色の瞳を瞬かせて微笑んだ
その様はあまりにも美しすぎた。
俺はこいつのような奴のために、日頃戦っているのだと、改めて吐いた息を呑まされた。